2006年12月28日

母はアル中

ブログも一年続けるとお客さんが増えますね
ありがたい次第であります

そもそもわたくし 先に出会いサイトで日記をかいてて
その後mixiに引っ越した 1年と半月くらい前かな
で 最近はもっぱらこのページを更新しています

だからmixiには過去ログが残ってるが
読まれないのが常である ネットの読者は振り返らない
誰かに読んでほしいと思って書いた だから年末企画 再放送
当たりさわりの無いものを選って 多少手を加えてこっちにも残しておきたい 今年中に終わらせます

Heineken - Police Line - Bates Singapore 2000.jpg

友だちのおかんのはなし

彼はオレと同世代だから、お母さんは60手前ってとこかしら
何度か会った事もあるんですが 気がまわるというか
繊細な印象がありました

お互い学生で実家に住んでた頃には、電話口にお母さんが出るわけですよ
オレ「もしもし ヒサミチと申しますがハルユキさん いらっしゃいますか」
お母さん「あ ハルユキですね ちょっとまっててね」
というような

この「いらっしゃいますか」という口開けの台詞についていわれたな

ハルユキ「なんども電話してるんだからわかってんのに
「ヒサミチと申しますが」って、ちょっと水臭いっていってたよ」
なるほど

もうひとつ 彼が自活をはじめる際に 引越しを手伝ったことがあって
「ありがとう!ありがとう!ちょっと待っててね!!」
お母さんからダンボールに一杯の靴下もらいました オヤジ系の
 
何年かして
「じつはアル中になっちゃってさ」
誰が?
「いや、おふくろが」
前からキッチン・ドランカー気味のところがある、とはきいてたけど
「それどころじゃねーんだよ」
 
実家にかえってみると、自分の部屋がなんかヘン
漫画やヴィデオの棚の位置がずれている
 
棚から本を抜き出してみると、そのうしろに
空の酒ビンが ずらっと並んでいる、んだそうです

「いいちこ」「ワンカップ大関」「アサヒスーパードライ」「サントリーレッド」 「トリス」「バドワイザー」「宝焼酎」「モルツ」「チョーヤ梅酒」「ミラー」

いわゆる安酒、量販店で買える大衆酒が所狭しと肩を並べている
上の段も、下の段も
本で隠されて見えないようになってるけど たぶん別の本棚も
「何コレ」
 
お母さんを呼んでも返事がない
白昼 自室で死んだように眠っていて、酒くさい 
・・・・
なんで捨てに行かないんだろう その空きビン
「わかんねぇ」 

Heineken - Call Me - Bates Singapore 2000.jpg

「警察ですけども、お母さんが今こちらに来てまして」
という電話があったのが、そのエピソードの半年後くらい
逮捕、
ではなく自分から出頭(とはいわないか)したらしい

もともと夫婦仲がよろしくないところへ過度の飲酒が拍車をかけて
家庭は要みのもんた状態
あいだにはいった友人の口利きでおかんはアパートに一人住まい
別居生活をはじめた矢先だったそうです

「オレもしばらく会ってなかったからさ 心配はしてたんだけど
パートもやってるって言ってたし」
  
「飲酒、そもそもの原因は親父とのかねあいだから 
それに ひとりになったら喰いぶちも稼がなきゃなんないでしょ」
 
「だから たかをくくってるところは あったんだよね」

警察署に家族が集まってみると おかん眼が真っ赤 
部屋着だし 話しかけても反応がない
小脇に小さなテープ・レコーダーを抱えている 
困惑した態の担当者
「アパートの隣のひとが おかあさんに嫌がらせをする、というお話なんですよ 
大きな声で悪口をいうので眠れない、と」
悪口?
 
「言っても信じてもらえないので 録音してきたものがあるそうなんですが 
聞いてもらえますか?」

テープレコーダーのスイッチを押すと
おかんの押し殺したような声で
  
「・・・わたしはいまハザワ1-12-1-35号室に居ます 
今 よるの11時26分です
さっきから 隣のひとが大声でハルユキの悪口をいっています
結婚できないとか 大学に入れない、とかうるさくて眠れません さっきそこのデイリーストアでこのテープレコーダーを買ってきました
言っても信じてもらえないので 証拠にこれから隣の音を録音します 
よく聞いてください・・・
  シャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー」
 
「なんにもきこえねーんだよ あたりまえだけど」
隣のひとがお前(ハルユキ)のこと知ってるわけねーもんなぁ
「で だめだこりゃ、ってことになって即入院」
あーね
「アパートに荷物取りに行ったら 空きビンだらけ 他には何もない」 
更正施設とかあるじゃん 民間の AAってったっけ    
「そう そういうとこに通い始めて」 

あと一滴でも呑んだら死ぬ、肉体的に限界です、といわれたとのこと

もとは文学少女、手先が器用で洋裁の仕事をしていたひとですから
何かひとつ 酒の誘惑を乗り切る趣味をみつけてください、といわれて
やめていた絵をはじめたそうです

「それが二年前 いまは全然平気にみえるけどさ 
テーブルには酒置けない オレも実家じゃ呑まない」
 
「山あり谷あり 人に悩みあり
五十や六十になっても ブルースからは逃れられないってことだよ」

Heineken - Line Up - Bates Singapore 2000.jpg

(仮名 かつ 事実の一部は変えときました)



画像はシンガポールのハイネケンの広告

タグ:中毒
posted by ヒサミチ at 23:48 | Comment(2) | TrackBack(0) | 所存 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
こんばんは。今頃遡って、暮れの更新記事を読み漁っている次第です。火事のエントリーも拝読して絶句しましたが、こちらのエントリーも強烈ですね。
ヒサミチさんのブログは、一つ一つ味わい深いです。
Posted by fumi_o at 2007年01月11日 22:14
これ去年mixiに書いたものを
こっちにあらかたコピペ&引越しプロジェクトの1つですが
欲が出て全然ムリでした 

去年の文、恥ずかしく感じて手を加えたくなっちゃうもんですね 
手塚治虫や井伏鱒二、
偉大な書き直し魔の気持ちがわかった気がする師走でした

以降彼のお母さんは元気にやっていて
人間は意外としぶとい、と傍から見ていて思ったりします
Posted by ヒサミチ at 2007年01月12日 01:14
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