2006年12月30日

お宅が萌えています

「先日、ガスレンジから火が出た時、
頭に血がのぼって消火器!というところを
おかき!おかき!と叫んでしまい
何も知らない別室の祖母が
せんべいのはいった袋を持ってきた事件がありました。」
http://z.la/xv8sm
「発言小町」より

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5歳のときにうちが焼けた

親父が風呂場に行ったきり出てこない
休日、だったと思う 冬の夕方 2歳の妹と炬燵にあたっていた

開いたふすまから立ち昇ってきた灰色の煙は
煙草のケムリじゃないらしい

怖くなる前に その異常に興奮した自分は
炬燵のなかに頭から入って唄を唄ってみた

 月曜日にお風呂をたいて
 火曜日にお風呂に入り
 水曜日に友達が来て
 木曜日に送っていった

 テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ
 テュリャテュリャテュリャテュリャリャー

大声で2回唄って 首だけ出したが何も起こらない
お父さんは帰ってこない 妹は寝ている
こいつ ほんとによくねるなぁ 

退屈で 何か他の唄を唄おうと思った
煙は勢いを増していて焚き火みたいで面白かった
炎はどこにもみえなくて 歌番組でよくあるように、
柱を取り巻き 這うように動く

月月、カーカー、スイスイという唄をうたおう
あの唄はけむりがモクモク木曜日 でもよく覚えていなかった 
思い出せないのをごまかそうと 大声を出していると
おかんの手が自分を掴んで

気がつくと外で沢山の人に囲まれていた
「水、つめたかったでしょう?つめたかったでしょう?」

2台の消防車が我が家を囲んで放水している 
夜目にも炎に嬲られて崩れる窓が美しい
「おなかすいてない?」
「こわかったね」

お母さんはどこ?

「すぐもどってくるから」
「お菓子あげるよ お饅頭あげるよ」
チョコのがいい、と思ったので
いいです、と言った

あとはじっとうちが焼けるのを見ていた

100人くらいいたかな野次馬 
バチッ バチッ とひっきりなしに音がした
しきりに知らないおばさんに話しかけられて
うざったかった 涙声のひともいた

うちは教員住宅だった
親戚の または教え子の 誰かのうちに泊まる事になって
移動中 タクシーの中 おかんが泣き出した

お父さんはもういなくなっちゃったから
どうしていいかわかんないよ
どうしていいかわかんないよ とか何とか

俺オトナがめそめそすんの嫌いなんですよ
普段は威張っているくせにだらしねぇ 

で説教した記憶がある
肩をゆすって
もう死んじゃったらしょうがないよ
死んじゃったんだからしょうがないよ

・・・でも当時5歳のオレ、ぜったいこんなこと言えないと思う
あとからつくった記憶でしょうコレ でっちあげ

そうだよね、3人しかいなくなっちゃったんだもんね
3人仲良く 生きていこうね
母がワタシと妹を弱々しく抱き寄せる、ト記憶は続く
元ネタたぶん大映ドラマ

この話、いろんなところで話したけど
かわいそうだねぇ、つらかったろうねぇ と言われると返答に困る
自分の珍しい体験を自慢したいだけなんです
こんな経験、したひといないでしょ?

大人になったら火事フェチになった
火事がでてくる映像に魅せられて

「サクリファイス」タルコフスキー遺作

「ネイバーズ」ブルース・ブラザーズ・コンビの遺作

「浜辺の女」ジャン・ルノワール ハリウッド最後の作品

どれもこれも絵に描いたような失敗作なのは何故
「サクリファイス」は長すぎると思う

1.主人公が火を放つと萌え度アップ
2.クライマックスが火事
3.いままで舞台になっていた生活の場が火事

そんなオレのオススメ火事映画は 「シルビーの帰郷 」です

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名作「ローカル・ヒーロー」の監督、
といったら思い出す人いるかもしれん
ハート・ウォーミング、でも苦く奇妙な作品を残した
グラスゴー出身 ビル・フォーサイスの家庭映画です

「山にいても海にいてもおちつかない」
40過ぎのはぐれ者、シルビーを
疎ましがったり呆れたり憧れたりする思春期の姪 「女の友情」物語 

house.jpg


映画史には残らない 成績もふるわなかっただろう
誰も話題にしないけど それはいい
これはオレの撮った映画ですから
「変な奴」「変な奴」言われ続けたオレの映画ですから
オレがそのぶん愛します

でもDVDで欲しいなぁ

housekeeping.jpg

トップ写真はGoogle Earthで見つけた山火事 火の用心

posted by ヒサミチ at 19:49 | Comment(3) | TrackBack(0) | 自己紹介 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
ここのシュールさに匹敵するブログは↓くらいだな
どっちも応援してるぜ

http://d.hatena.ne.jp/tokeidai/
Posted by カルメラ at 2007年03月06日 05:12
シュール、だったらテキストはこれだな
http://tomo-dati.jugem.jp/
「小笠原鳥類」
現代詩人の迷路のような日々の記録

画像はコレ
http://www.whytheluckystiff.net/quiet/
「(.~) what a quiet stiff (~.)」
謎だらけの絵や写真

まとめサイトは
「不気味なサイト見つけたYO!。゚(゚´Д`゚)゜。の倉庫」がオススメ
http://www.geocities.jp/bukimimatome/
応援サンクス 以後もご贔屓に
Posted by ヒサミチ at 2007年03月06日 12:36
たまたま「シルビーの帰郷」のビデオ昔持ってました。
火事のシーンは古新聞が燃えてたこと位しか
思い出せないけどシルビーがコートのポケットから
魚とか、キャンディとか出してくれるのが好きでした。
不思議な後味の映画ですよね。


Posted by koto at 2010年02月12日 13:22
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